お得意様

外の景色が夕方に変わり始める頃。

 

珍しくお客さんが続けてきたので、私は忙しく働いていた。

 

よかったわ。

 

昼間、拓哉君にあんなことをされたあとで、ヒマだったりしたら、身体がおかしくなってしまうもの。

 

こんなに忙しくしている今だって、私のスカートの中身は濡れている。

 

皮手袋を嵌めた手で撫でまわされた感触が、まだ太腿とお尻に残っていて、思い出すと熱くなってしまう。

 

拓哉君の指でイかされてしまったけど、身体はまだ疼いている。

 

このまま家に帰ることになったら、今夜は久しぶりに夫と……。

 

家だと、子供たちやお義母さんのことが気になって、イけないことが多いのよねえ。

 

だけど、しかたがないわ。

 

今夜は夫で我慢するしかなさそう。

 

外が暗くなり、お客さんも一段落する。

 

夕方からは意外と忙しかったわねえ。

 

あとは片付けて、今日の売上を計算して帰るだけ。

 

やっぱり、拓哉君は来なかった。

 

私はカウンターの内側でこっそり自分の秘部に触れてみる。

 

たっぷり水を含んだようにふっくらと膨らんでいる秘部。

 

少し強く押すと指が引き込まれてしまいそうになる。

 

プルルルルル……プルルルルル……

 

電話の音に慌ててスカートの中から手を出して、受話器を取った。

 

「はい、いつもありがとうございます。

 

今夜、必要なんですか?」

 

お得意様からの電話で、明日の仕上がり予定になっている黒の礼服が出来上がっていないかという問い合わせだった。

 

今夜、通夜に行くというので、私は工場に問い合わせることにしていったん電話を切った。

 

工場にかけた電話に出たのは拓哉君だった。

 

「そうですか、三十分後ですね。

 

わかりました」

 

「ご迷惑かけて、すみませんね」

 

「いいえ、急なことですから、間に合ってよかったです」

 

「主人の会社の上司が、突然、倒れて亡くなってしまったんですよ」

 

「そうだったんですか」