カウンターの陰
そう言って課長の右手が再び太腿の裏側を登ってくる。
素肌に感じる柔らかくて滑らかな初めての感触に、めまいがしそうなほど感じてしまう。
カウンターについた両手も、足元もぶるぶる震えるほどの快感を味わっていた。
皮手袋を嵌めた手が私の尻の肉を掴み、思う存分揉みしだいた。
「あっ……ん」
「小百合さん、ちゃんと店の外を向いて、お客さんが来ないか見てないとだめだよ」
「はい……」
私はカウンターの内側に立って、透明なガラスの向こうの通りを眺めている。
ここはけっこう人通りがあって、店に入ってくる人はいなくても、すぐ前を通るときにこっちをチラッと見ていく人がいる。
そんな通行人とときどき視線が合ったりしながら、私の意識は自分の下半身に集中していた。
だって、私の足元にしゃがんだ課長が、スカートの中に手を入れているんだもの。
下着を身に着けていない私の秘部は、びしょびしょになっている。
まだ、そこには触られてないのに。
皮手袋を嵌めた課長の右手は、私の脚とお尻を撫で回しているだけで、肝心な場所には触ってくれない。
表通りに顔を向けていた私は、顔見知りのお客さんが道路の向こうからこっちを見ているのに気づいた。
会釈されて、無理に笑顔を作って会釈を返す。
そのまま立ち去ってくれないかなあ、と思っている私の気持ちを裏切って、そのお客さんは道路を渡ってこっちへやってきた。
「課長、お客さんが……」
「いいから、普通に接客してて」
「でも……」
「いらっしゃいませ」
「こんにちは、これとこれをお願いね。
あさってには仕上がるかしら?」
「はい、夕方には出来上がってます」
「あら?」
そのお客さんが私の顔をまじまじと見るのでドキッとする。